弾き方
ペダリングで響きを濁らせない
ヒーリングピアノで多用されるダンパーペダルを、踏みっぱなしにせず、和声の切り替えに合わせて整理する考え方。
ヒーリングピアノの弾き方第5回ペダル:伸ばすことと、余白を作ることは別全7回所要 約30分ピアノ必要
この囲みは「ヒーリングピアノの弾き方」という講座の第5回として、 このページに順番と演習を重ねたものです。ページの内容そのものは講座とは独立して読めます。
- 到達目標
- 和音が変わる位置でペダルを踏み替えられ、踏みっぱなしと踏み替えの音の違いを説明できる。
- 演習
- 1曲の中で和音が変わる位置に印をつけ、その位置で踏み替えながら通して弾く。
- このページの実演
- T6 ペダルの聴き比べ
自己評価
- 和音の変わる位置に印をつけた
- 踏み替えの音が濁っていない
- ペダルを踏む前の音が残っていない
この記事で分かること
ペダルは「響きを足す道具」ではなく「響きを管理する道具」です。和声が変わるたびに踏み替える基本と、踏み替え過ぎを避ける考え方を扱います。
基本:和声で踏み替える
- コードが変わる瞬間に、踏み替える
- 拍頭でいったん上げ、新しい和音と一緒に踏み直す
- 上げきってから踏むと、わずかな空白ができて落ち着きやすい
踏み替えありと踏みっぱなしを聴き比べる
和音が半小節ごとに変わる4小節を、ペダルの扱いだけ変えて2通り用意しました。音符も速さも音の強さも変えていません。
聴き比べ
ペダルの踏み替えを聴き比べる
和音が半小節ごとに変わる4小節を、ペダルの扱いだけ変えて2通り録りました。音符・速さ・強弱は1つも違いません。踏み替えないと何が起きるかを、耳で確かめられます。
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和音ごとに踏み替える 半小節ごとに1回・計7回
ここを聴く:和音が変わる瞬間に、前の響きが消えて新しい和音だけが残るところ。
和音が変わる位置でペダルを上げ、すぐ踏み直しています(4小節で7回)。低音が C→A→F→G→C→F と動いても、鳴っているのは常に1つの和音だけです。
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踏みっぱなし 最初に1回踏んで最後まで上げない
ここを聴く:後半になるほど、鳴っている音が増えて輪郭がぼやけていくところ。
最初に踏んだペダルを最後まで上げていません。音符・速さ・強弱は踏み替え版と1音も違いませんが、和音が変わるたびに前の響きが残るため、低音が積み上がって濁ります。
確認:和音が変わっても、前の和音の響きが残り続けるのはどちらですか。
答えと解説を見る
踏みっぱなしダンパーペダルは、踏んでいるあいだ弦の止め具を外したままにします。踏み替えないと、前の和音の弦が鳴り続けたまま次の和音が重なります。和音が変わるたびに一度上げて踏み直すと、前の響きだけが切れて新しい和音が残ります。
踏みっぱなしダンパーペダルは、踏んでいるあいだ弦の止め具を外したままにします。踏み替えないと、前の和音の弦が鳴り続けたまま次の和音が重なります。和音が変わるたびに一度上げて踏み直すと、前の響きだけが切れて新しい和音が残ります。
この聴き比べで扱うのは、踏むか上げるかの2択だけです。下の「半ペダル」は、踏み込みの深さを連続的に変える操作なので、この音源では再現していません。
静かな曲では「半ペダル」を使う
- ペダルを完全に上げず、半分まで戻す
- 残響の量を、曲の静けさに合わせて調整する
- 電子ピアノの場合は機種によって反応が違うので、必ず聴いて調整する
踏み替えのタイミング3パターン
| パターン | タイミング | 効果 | | --- | --- | --- | | 拍頭踏み替え | 拍の頭で上げ下げ | 透明感が出る | | シンコペーション | 音を弾いた直後に踏む | 余韻がつながる | | 後踏み | 音の終わりに少しだけ踏む | 終止に余韻を足す |
やりがちなミス
- 1曲ずっと踏みっぱなしで、低音が濁る
- フレーズ末で踏みを残し、次のコードに干渉する
- 弱く弾く曲ほど踏みを足したくなるが、逆効果のことが多い
練習ステップ
- ペダルを一切使わずに弾く
- 1コード1踏みで弾く
- 和声の切り替わりで踏み替える
- 必要な箇所だけ半ペダルに切り替える
ペダルは響きを増やす前に整理する道具
ペダルは「雰囲気を出すために踏むもの」と考えられがちですが、ヒーリングピアノではむしろ響きを整理する道具です。前の和音をどこまで残し、次の和音へどの程度つなぐかを決めるために使います。踏みっぱなしにすると、静かに聞こえるどころか、低音の輪郭が失われて重くなります。
専門用語では、ダンパーペダルは弦の振動を止めるダンパーを上げ、音を伸ばします。半ペダルはその上げ方を浅くして、響きを少しだけ残す踏み方です。ただし、半ペダルは楽器差が大きく、電子ピアノでは再現が限定されることもあります。初心者は半ペダルより先に、コードごとの踏み替えを安定させるほうが効果的です。
濁りを見つける聞き方
録音を聴くときは、右手のメロディではなく低音の残り方に集中します。CからGへ進んだときに、前のCがまだ底に残っているなら、ペダルが長すぎます。AmからFへ進むときに暗さが重くなるなら、左手の音域かペダルの深さを見直します。
Calm Pianoでは、ペダルを「長く踏めるほど上手い」とは考えません。必要な場所で短く残し、不要な場所で消せることが、静かな曲ではより実用的な技術です。